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The long waiting

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『心理学の名著30』,03スキナー『自由と尊厳を超えて』(一九七一)―新たな行動主義

読書メモ『心理学の名著30』

 今回の著者は心理学での行動主義的な研究をしたある有名な方らしい。行動主義は昔講義で聞いた時はピンとこなかった。なにしろ文学が大好きで人の気持ちのゆらぎが気になってたから、「外部からの刺激で反応(行動)を説明する」という考え方が全然理解できなかった。今回は要約しながらそんなことを思い出しました。

 

 

1.重要な概念

①レスポンデント行動とオペラント行動

 動物の一種である人の行動には二種類ある。レスポンデント行動とオペラント行動である。そう言われても、多くの人には全くチンプンカンプンであろう。前者は簡単に言うと反射。膝の下を叩くと足がピンと伸びる。これが膝蓋腱反射として知られる反射である。後者は反射以外の行動で、自発的に行う行動。

  自発的行動の特徴の一つに、褒められた行動を繰り返し行うことができる、というものがある。p.30「行動を分類する」

  スキナーはこの分類をつくった心理学者だ。後者は良い結果が起きたら同じことを繰り返すことができるというのが特徴だ。この分類は罰よりも報酬で社会を良くしようという彼の考えと密接に結びついている。

②死人テスト

 行動とは何か?この問に対して「死人テスト」をもって答えるのがスキナリアン(スキナー龍流れの行動主義者)である(杉山尚子『行動分析学入門』集英社新書)。すなわち、死人(死体)にでもできることは行動ではなく、死人(死体)ができないことが行動だ、ということである。p.31「行動主義の誕生」

 だからなんだと思ったのだけれども、つまるところ生きている人間のあらゆる振る舞いやら状態?が対象となるということだろうか。

③随伴性

 下記「2ー①行動主義を発展させる」参照。

 

2.学説史上の位置づけ

①行動主義を発展させる

 そして、スキナーは、行動を受け身行動と自発行動に分け、自らは、(A)ある条件における(B)自発行動が(C)外界からの反応によってどのような影響を受けるのかについて研究することを自らの課題としたのである。

 ある先行する条件(Antecedent)、行動(Behabior)、その結果(Consequence)の繋がりのこと(頭文字をとってABC)をスキナーは随伴性と名づけた。時間の流れの中で行動を捉えようとしたこと、受け身行動ではなく自発行動を対象にしたこと、はスキナーの大きな功績である。pp.33-34「行動主義の誕生」

 スキナーが博士課程に進学した一九二〇年代には心理学では行動主義が力を持ち始めていた。一九一三年には心理学の対象は意識ではなく行動であるべきだとアメリカ心理学会会長ワトソンは宣言している。行動主義といえば条件反射を報告したパブロフが有名だが、スキナーの研究は行動の自由が担保されていた点がそれまでの研究とは異なっていた。

②行動療法

 スキナーの考えは、心という構成概念を括弧に入れても、様々なことが記述できることを示したものである。この意味で革命的な考えの一つであろう。そして、そのことにより行動療法的なかかわりも可能になるのである。p.36「ジェームズからの影響」

 行動療法ってよくわからないなと思ってたけど、行動主義とつながってすっきりした感じがする。行動療法でさっそくwikiってみるとたしかにレスポンデントとかオペラントっていう言葉がでてるね!小見出しの通り、スキナーは経験主義を徹底させて行動を対象とした心理学を発展させるという考えで、ジェームズの機能主義の流れにあるから、影響を受けていると言えるみたい。

 

3.よくわからないところ

 価値の章でスキナーは価値やその集合体としての文化が、人の行動を形成・維持する重要なものとして考えている。スキナーにとって価値とは、強化子(広い意味での報酬)を得るための他者から与えられたガイドラインのようなものであり、明示されるとルールや法となる。p.36「価値と文化の行動分析」

 つまりABCでいうところのAある先行する条件のあつまりが価値なのかな?と思いきや、この後で「スキナーは「ある文化の成員」という言い方はできないと指摘している」とある。???ここは謎だな。

 

 

自由と尊厳を超えて

自由と尊厳を超えて

 

 

 

心理学の名著30 (ちくま新書)

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