『心理学の名著30』,12ユング『心理学的類型』(一九二二)―対立を乗り越えて
ユング(一八七五ー一九六一)心理学者・精神医学者。『心理学的類型』は心の動きを重視し、独自の分析心理学の体系を打ち立てた一冊。p.106
ユングには二つのイメージを持っている。一つ目が無意識とか精神分析関係の人というイメージ、二つ目が、オカルトというか電波っぽい感じのイメージだ。あんまりよいイメージではない笑
あとは村上春樹とユング心理学者の?河合隼雄の対談を読んだくらいか。今でもいろんな研究の土台にはなっているはずなんだけど、なんだか想像しにくいなあ。
1 心理学史上の位置付け
①フロイトとの違い
対立とは、精神分析の創始者フロイト(11)とその弟子にあたるユングの無意識についての考え方の違いのことを指している。精神病者の妄想をフロイトは性的エネルギーであるリビドーの表れであるとしたのに対し、ユングは神話との比較で理解しようとしたのである。p.106「ユングとフロイトの対立」
ここはさらっと触れられているだけで詳しいことはよくわからない。妄想と神話を比較するのか?
②フロイトとアドラーとの違いから
ユングは、フロイトのリビドー重視は内的欲動を重視するように見えるが、この患者の場合には父親との関係・夫との関係を志向しているものと見た。一方のアドラーの支配力重視は他人を巻き込むように見えるが、この患者の場合には自身の権力志向の表れであると見た。そして、さらに、ユングは踏み込む。他人・対象・関係を重視するフロイトと、主体・内面動機を重視するアドラーの違いは、そのまま両者の人間性の違いの表れだと考えられたのである。p.110「フロイトとアドラーの違いから理論を見出す」
アドラーとユングはフロイトを師とする師弟関係で結ばれていたが二人ともフロイトとは決別している。ユングは二人の見解の違いはヒステリーの異なる側面を見ていると考えて下のような二分法を考えた。
2 重要な概念
①意識を扱う類型論
ユングは内向・外向の二分法に加え、四つの心的機能が重要であるとする。感覚・志向・感情・直感である。感覚はものごとが「有る」ことを教えてくれ、思考はそれが「何」であるかを教えてくれ、感情は現時点でどのような価値があるかを教えてくれ、直感はその未来を教えてくれるものである。人によってどの領域が優れているかは異なっていると考えるのである。p.112「タイプ論」
その後、ユングは無意識にも類型を見出し、元型とよぶことになる。
②言語連想検査
初期のユングを有名にしたのは連想実験、言語連想検査である。ある人に対して一〇〇の言葉を投げかけ、それぞれの言葉に対して連想したことを応えてもらう、というものである。そして、それをニ回繰り返すのである。リストには、頭、緑の、水の、歌う、死、長い、など様々な言葉が含まれている。p.113「単純であるがゆえに複雑なものを引き出す」
普通に連想できたら特筆すべきことなしで、例えば二回目で間違えたりしたら、これはなにかあるなとあたりを付けることになる。犯罪捜査にもこの考え方は用いられているという。